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シリーズ.木造か鉄骨造か?第6弾.鉄骨住宅についての考察.

 本シリーズからは補足的な内容にはなるのでしょうが,興味をもたれた方は合わせて考えていただきたい事があります.それは,鉄骨住宅についてです.こちらを歴史的背景も踏まえて考えてみようと思います.

 さて,私の知るところによりますが,鉄骨住宅の登場は産業革命以後,世の中が人工的な材料に狂喜していたころになると思います.今では,特に優れた特性を持ったものを除き,天然材料の方が価値が高く,人工的なものはその模倣に過ぎず,代替品的な扱いがほとんどです.その当時はナイロン繊維などは絹を凌ぐ高級品として世を魅了していたのです.

 ですから,鉄骨住宅は時代の最先端を行く,住宅と言うよりは芸術作品に近い扱いだったと思われます.鉄と共にガラスが多用され,外壁も風呂もトイレの壁でさえガラスでできた,どうやって生活するの?ってなものが登場しました.名だたる建築家の芸術作品ですから,それに,住み心地がどーのと言ったものは存在しなかったのです.近代化と共に近代的なライフスタイルが具現化されたといったものでしょう.

 鉄骨住宅が本格的に建設されたのは,第二次世界大戦下のアメリカでした.当時アメリカはドイツが降伏すると共に,その矛先を日本に向けます.あらゆる軍事工場とその労働者を東海岸から西海岸に移設し,対日本向けの臨戦態勢にシフトしたのです.そのため,工場で規格化し量産されたいわゆるプレハブの鉄骨住宅が量産され西海岸に建設されました.この時は,住み心地よりも効率を重視していたと思われます.おそらく,日本の敗戦は既に見えていたでしょうから,不要になった鉄骨住宅は,その後の軍事力強化へ転用する計画も含んでいたと思います.それは,あくまで仮設住宅だったのです.

 その後,世の中から鉄骨住宅は消えていったと思われます.

 それが,皮肉にもアメリカに敗戦した日本で量産化される時代に入ります.その背景は,高度経済成長時の日本は,原材料を輸入して加工して輸出する.その差益で国が成り立っていました.しかし,この図式が崩れ始めると,輸出を主力としていた加工業者は国内で売りさばく方法を見つけなくてはなりません.その1つが鉄骨住宅なのです.製鉄業者以外にも,製造業を行っていたものは,自社の材料をなんとか住宅に使えないか考えました.

 これより,日本の住宅業界は大きな転機を迎えます.それは,住宅に適した材料を求めて家を建てるのではなく,市場に余りつつある材料をいかに住宅に適合させるかといった,物づくりとしては逆のベクトルが働き始めたのです.そのため,住宅建材としては,不適格な材料を市場に流通させなければなりません.さも,近未来の優れた材料として市場にデビューさせ宣伝していかなくてはなりません.

 世界的に見れば,巨大な住宅会社が存在する日本は奇異な国らしいです.それは,住宅に不適格な材料を売り込む販売努力の成果といってよいでしょう.鉄骨住宅のプレハブ化を図り,マスメディアを駆使し現在に至っているのです.

 まあ,こう言う書き方をすれば,鉄骨住宅が戦争の道具としては成りえても,平時の住宅には全く向かない代物と批判しているも同然ですね.しかし,日本の企業努力は凄まじいもので,鉄骨住宅を平時の住宅としても機能するように改良してきました.その結果は評価するべきものです.木造住宅と比較して同等な点,優れた点は,このシリーズで話して来たとおりです.

 今回の話は,鉄骨住宅の批判ではありません.ただし,一歩間違えば,仮設住宅と変わらない代物が世の中には鉄骨住宅として存在しているということです.

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